底地の問題点3:一度土地を貸したら返ってこない
土地の賃貸借には、土地の賃貸者について定めた法律:借地借家法という法律が適用されます。借地人が地代を支払い、地主が土地を貸すという底地と借地権の関係はこれにあてはまります。
従来は、借地法・借家法と別れていたのですが、平成4年に建物の保護に関する法律も加えて、大幅に改正され「借地借家法」の一本に統合されました。
一般的に改正前の法律を「旧法」と呼び、改正後の法律を「新法」と呼びます。
旧法では、半永久的に返してもらえない問題
詳しくは、借地借家法にてご説明していますが、旧法で設定されていた普通借地権は、問題点が多く、借地人の権利が過剰に保護されていました。
契約期間が終了しても、地主が土地を返してもらうためには、「正当事由」が必要とされ、一度土地を貸すと半永久的に返ってこないという問題が発生しました。
正当事由
地主が自ら土地を使用する必要があり、なおかつ借地人と地主の両者の利害得失を比較考慮して、地主に相当の事情があると認められる場合のこと(平成4年の改正後、明確化された)
定期借地権(新法)
旧法の問題点の反省から、決まった期間で土地を返してもらえる定期借地制度が誕生しましたが、
改正前に締結した借地契約については、今でも旧法が適用されます。
そのため現在も土地が返ってこないという問題に、多くの地主が悩んでいます。
底地の悩み問題 解決方法
A:借地の明渡しを要求する
地代を滞納されている。勝手に建て替えされてしまった地主さんにおすすめです。
B:借地人に地代の値上げを交渉する
相場より地代が安くて悩んでいる。土地を手放したくない。地代収入を増やしたいとお考えの地主さんにおすすめです。
C:借地人から借地権を買い取る
借地人が転居を考えている。借地人が建て替えを考えている。借地権を買い取る余裕資金がある地主さんにおすすめです。
D:底地と借地権を交換する
貸宅地の敷地面積が比較的大きい。借地人が建て替えを検討している地主さんにおすすめです。
E:借地人に底地を売却する
底地を換金化したい。借地人と交渉ができる関係。将来の相続を視野に入れて底地を手放したいと考えている地主さんにおすすめです。
F:底地と借地権の共同で売却する
借地人が転居を考えている。借地人が建て替えを考えている。借地人と交渉ができる関係の地主さんにおすすめです。
Z:底地を業者に売却する
借地人との交渉が面倒くさい。出来るだけ早く売却したいと考えている。底地を多く所有していて借地人の数が多い地主さんにおすすめです。