事例:底地と借地権の共同売却
地主Aさんは東京の武蔵野市にある底地を父親から相続し、相続税を納めるためのお金が必要なので、所有している底地の処分を検討していました。
「借地人さんに底地を買い取ってもらいたい」というのがAさんの意向でしたが、借地人Bさんは底地を買うようなお金を用意することができないということでした。
話し合ってみると、借地人のBさんは高齢で身よりもなく年金生活で、今後、老人ホームのような施設に入ることも検討しているとのことでした。
問題点の整理
- 相続発生によって、地主Aさんは早急にまとまったお金が必要
- 借地人Bさんには底地を購入する資金がない。
- 借地人Bさんは将来的には土地を離れることを検討している
- 物納しようにも適用条件を満たしていない(地代が相場よりずっと低かった)
そこで、地主Aさんと借地人Bさんは、底地と借地権を同時に不動産業者に売却。
売却額を6対4(借地人:6 対 地主:4)で折半しました。
完全所有権なので、時価で売却
購入する側からすれば、完全所有権の土地を買うのと同じことなので、時価での売却となりました。
地主Aさんは底地だけで処分するよりも、有利処分ができ、相続税をすべて現金で納付できました。
借地人Bさんは、近隣にアパートを借り、近いうちに老人ホームへの入居を検討しています。
施設に入居する際の資金と老後の生活資金も手に入れることができました。
相続発生後の緊急事態でしたが、お互いの需要とタイミングがあったことで、両者とも納得する結果を得られたケースでした。